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2023-06-04 超短編小説「猫角家の人々」その7

ネコネコハウス紂王、ネコネコハウス祟り、ネコネコハウス兇徒、不幸禍訪問看護ステーション、(株)猫角えつか不幸禍本社、ネコネコハウス異魔伊豆未、株式会社 自営尾行….実際にそんな事業所があるのかと調査してみると、実体のない事業所が複数見つかる。近所の人に聞いても、「そんな施設はない」と言われる。あっても、とても介護事業などできないような古びた廃屋のようなところだ。

一体、何を目的に次から次にダミーの事業所を設立するのか?やはり、様々な助成金を手に入れるのが主たる目的だ。だからこそ、猫角姉妹の会社の「定款」は、読んでいると気が遠くなるようなフルスペックの記載で満たされている。ありとあらゆる「助成金」を申請するためには、ありとあらゆる「業種」に従事していると偽装しなければならないのだ。だから、「定款」が著しい「満艦飾」になるのだ。

猫角克子は「古物商」の免許すら取得している。なにゆえに?些か背筋が寒くなるような裏事情がありそうだ。「成年後見制度」というものがある。認知症の老人がなくなると、後見人が財産を処分する。遺留品の処分は古物商が担当する。ライセンスが必要だ。背筋の寒さは、さらに増したであろうか?脚でも揉みたくならないだろうか?

いささかスケールの小さな話だが、福祉機器の購入資金として、一カ所に月300万円の助成を受ければ、7カ所で、合計2100万円にはなる。そして、福祉機器は購入などせず、リースで手に入れて使いまわす。ネコネコハウス祟りに置いてあったコピー機などの福祉機器は、助成金が手に入ったら、別の事業所に移動して、厚労局の監査に備えなくてはいけない。そこで、所有する4台の乗用車のうち、大型ワゴン車のアルフォードが大活躍する。この乗用車でないと、コピー機を運べないのだ。アルフォードは、「見せ金」ならぬ「見せ機械」を福岡の事業所間や京都まで移動させるのに大いに活躍したのだ。その過程で二度もドア部分を破損するなどして、そこそこの保険金が懐に入るという僥倖もあったが。(続く)